・・・大きいです。 背比べ編

今回はコイルガンの重要な三要素(あくまで私の考え)、コイル・コンデンサ・サイリスタの内の一つコンデンサの紹介をしたいと思います。

コイルに電流を流し磁性体でできた飛翔体を加速するのがコイルガンの原理ですが、このとき電流を流したままにすると磁力線がもっとも密な中心部分を平衡点とした振動運動(実際には空気抵抗があるため減衰振動)をしてしまいます。こうなってしまっては飛翔体が前に飛ばないのである程度のところで磁気を消してあげる必要があります。このため、コイルには瞬間的に大きな電流(ピーク時1000A程度)を流す必要がありますが、瞬間的でもこれほどまでの大電流を流す電源はありません。

これを解決するためにコンデンサを使います。コンデンサとコイルとスイッチ(実際はサイリスタ)を繋いでおきコンデンサに電荷がたまったらスイッチをONにします。するとコンデンサの電荷がなくなった時に電流が消えます。(実際はLC発信をするはずですが逆起電力を逃がすためのダイオードをつければ大丈夫です)また、大電流を流す問題についてもコンデンサが解決してくれます。コンデンサの充電時には少ない電流で長い時間をかけて充電し、放電時には大電流で一気に放電します。バケツに少しずつ水をためて一気に水を出すようなものです。時間あたりの水の出る/入る量(電流)は違いますが、それの時間積分(電荷)は等しいです。

さて、そのコンデンサなのですが様々な種類のものがあります。例を挙げるならば、電卓もスパコンも計算するという機能を実現するための機械ですが、片方は手のひらの上にのりもう片方は一部屋丸ごと占拠してまうように、同じ機能を持ったものでも必要とされる性能によって規模が異なってきます。コンデンサも例外ではなく、様々なサイズのものが存在します。せっかくなので今回のコイルガンでは使わないものも紹介したいと思います。

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一番左のゴミのようなものがチップ積層セラミックコンデンサ、左から2番目が積層セラミックコンデンサ、右の2つが電解コンデンサです。どのコンデンサも主に電源の安定化のためにつかいますが、消費電流の変動が大きい時ほど右側のコンデンサを使います。ココで問題です。コイルガンではどのコンデンサを使うでしょうか?

答えはコレです。注)張ってあるシールはジョークです。

・・・大きいです。真ん中でいじめられているのが最初の画像で1番右にあったコンデンサです。10000uF, 250Vの電解コンデンサが3つで、合計のエネルギーは930Jにも達します。こんな超弩級のコンデンサを普通のスイッチでON/OFFしようとすると、スイッチの接点から激しく放電し、場合によっては接点が蒸発して爆発します。

次回の更新ではこのバケモノのON/OFF制御について紹介します。

by Shiozaki

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