FETの特性のかけらから、FETの特性を再構成してやろう

スラマッマラム N.C.です。

 パワーMOSFETに限らず、部品のデータシートには、特定の条件での特性しか書かれていません。少なくともこのサークルでは、多くの場合それで事足りるでしょう。しかし、安全に動作するように余裕を確保しつつも必要以上の余裕を持たせたくない(つまり金銭や大きさなどの制約があって、ギリギリを攻めたい)場合には、自分が使用する条件での特性をある程度正確に知る必要があります。どうすればいいでしょうか。
 FETを使うときに非常に重要な特性がQg特性です。これを知ることはスイッチングに要する時間やその際発生する損失を知ることに直結します。以前にもQg特性が条件によって変化することは述べましたが、どのように依存するのかは述べませんでした。今回は、その辺を詳しく考えてみることにしましょう。
 Qg特性を変化させる要因には次のものがあります。
・電源電圧
・ドレイン電流
・温度
電源電圧による変化は書かれているデータシートもあれば、ないデータシートもあります。
ドレイン電流による変化はたいてい書かれていません。
温度は、閾値電圧に影響を与え、これはデータシートに書かれています。
それぞれが、特性にどのような影響を与えるのかを考えてみましょう。

<電源電圧>
 ゲート・ドレイン電圧がスイッチング時に何ボルト変化するのかが主に電源電圧で決まります。そのため、ミラー領域の長さに影響を与えます。スイッチング時に注入される電荷はCgd-V特性を積分すると知ることができそうです。この特性はC-V特性から知ることができます。
<ドレイン電流>
 ミラー領域でのゲート電圧(ミラー電圧)を変化させます。ミラー電圧が変化すれば、それまでに注入されるゲート電荷は当然、増加します。ちなみに、ミラー領域では、ドレイン・ソース電圧と閾値の大きさの関係から、定電流領域で動作していることが分かります。
<温度>
 ゲート閾値電圧は温度に対して負の温度係数を持っています。そのため、温度が変化すれば閾値電圧も変化するため、注入されるゲート電荷も変化します。

かけらは揃った。次回、再構成しよう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です