InRoF 2014 C40 アルサイクロクリーナー

知能ロボコンに出場しました, アルサイクロクリーナーの製作者, こばとんです.
得点はあまりできなかったのですが, 掃除機が競技台を疾走し, ボールを回収するというインパクトが評価され (?), アイデア倒れ賞と最優秀ビデオ賞を頂くことができました.

知能ロボットコンテスト2014 http://www.inrof.org/2014/irc/
C40 アルサイクロクリーナー http://www.inrof.org/2014/irc/score/rinfo/robot061.html

この記事は機体解説とかです.

【コンセプト】
このロボットは見ての通り, 掃除機の外観をもつロボットで, 構想自体は知ロボ初参加の2年前から温めていたものです.
掃除機の車輪と吸引機構を制御できるようにしてそのままロボットにしたら面白いんじゃないか. そう思ったのが始まりです.

因みにモノ枠のネタとしては, 昔はこんなのもありました.
扇風機 http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2007/07/02/543.html
アタッシュケース http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/30/1148.html
箒&ちりとり http://robot.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/06/30/1148.html
スーファミ http://www.inrof.org/2013/irc/score/rinfo/robot031.html

【改造】
結局掃除機はこんなになりました.

掃除機の各機構の本来の機能を最大限活用できるようにこだわっています.
車輪や電源スイッチはそのまま使用しています.
小ネタですが, 電源ケーブルの巻き取りスイッチがあったところは, 巻き取りできるUSBケーブルが繋がっていて, ここから内部のマイコンにプログラムの書き込みが行えるようになっています.

当の電源ケーブルが生えていた機体後の開口部は, 外部電源から給電する際に利用しています. 1日目はここから給電して動かしました.

ごみをためる部分は外部からアクセスしやすいのでバッテリボックスにしました.

外観を損なわないように, ボール探索用の距離センサ (いわゆるPSD) は前面の吸引開口部に1つと, 床下に左右1つずつ搭載されており, 低い所から見ないと見えないようになっています.

【一応ロボット】
さて, 内部のロボットらしい部分の解説をすると, アルサイクロクリーナーは, 3つのアクチュエータ, 3つの距離センサ, 2つの壁体当たりスイッチ, 1つのI2Cカラーセンサから構成されています.

アクチュエータは, 足回りのステッピングモータとボール回収ファンの3つだけで, 知ロボでは最も少ない部類でしょう. 吸引は問題ないのですが, ボール排出もこの3つのアクチュエータでなんとかしないといけません. ボール排出は足回り, 吸引, 機体後からの排気をフルに使った割と面白い動きをします.

たまたま中古ショップでドライバを入手できたので, 知ロボでもよく目にする5相ステッパを使ってみることにしました. ホールディングトルクだけ見ると優秀な2相ステッパと大差ないのですが, 高速の伸びがとてもいいので, 取り出せる出力は5相ステッパの方が大きくなります.

吸引ファンにはEDFを使用しています. これは空モノ電動ラジコンの推進用ファンで, 今回使用したのは全長1mのラジコン飛行機に使われているものです. モータは定格400W程度のモータを半分くらいの出力で使用しています. 400Wで, 誤記ではないです.
因みにアルサイクロクリーナーの重量は約5kgなのですが, ステッパの電源を切ればファンの推進力だけで前進することができます.

ボール検知は3つのPSDで, 前方と左右方向を読めるようになっていて, 競技の進行に応じて使い分ける予定でした. 前日の午前中は回収できていたのですが, 午後から挙動が怪しくなり, 本番上手くいかず.
1次予選後に判明したのですが, 前面と右のPSDが正確に読めなくなっていたらしく, 何もないところに突っ込んだり検出距離が正確でなかったりしました.
2日目は左のPSDだけで競技を行ったのですが, ボールは取れたものの, 直前に実装した色読みが上手くいかず, 途中でフリーズしてしまったようです.

皆さんも, 初めて使うデバイスを本番当日の朝に取り付けるのは止めましょう.

【謝辞】
決勝に行くという個人的な目標は達成されませんでしたが, アイデア倒れ賞と最優秀ビデオ賞を頂くことができました. また, 素敵な副賞ありがとうございました.

ビデオ賞副賞の「絵でわかるロボットのしくみ」はツボを押さえた解説で, それでいて幅広く扱っています. ちょっと気になっていたあの機構この機構が紹介されていて, InRoFのネタ本としてもうってつけだと思います. 部室にも1冊置くことにしました.

アイデア倒れ賞の副賞は・・・・・・
これはステレオカメラと飛行ロボットで来年またアイデア倒れ賞を取ってね.   ということでしょうか?
チャレンジ技術賞の方にも似たようなものが行っていたような・・・・・・

それから科学館の皆様, 水曜日の試走の時は相当音が響いていたようで, すみませんでした.

【展望とか】
今回はプログラムがあまり詰められなかったので, 来年はもう少し完成度を高めて, インテリジェントなロボットを出せればと考えています.
当の掃除機の方は中途半端な出来に終わってしまいましたが, 学祭でラジコンにでもしようかなと思っています.

おしまい

※ 画像は2枚目を除き, ロボットコンテスト実行委員会様提供の競技中の写真を編集したものです.
※ 今年の学祭は抽選漏れて出展できないようです.

( こばとん )

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