JLCPCB様よりご支援をいただきました④

JLCPCB様(jlcpcb.com/JPV/ ・ jlcpcb.com/jp/)より、また基板製造サービスの割引をご提供いただきました。いつもありがとうございます!

JLCPCBについて

JLCPCBは、安価かつ高品質な基板製造サービスを提供する中国のメーカーです。PCB製造から部品実装(PCBA)まで対応し、試作から量産まで幅広く利用できます。

当団体では以前より多大なるご支援をいただいておりますが、執筆者は今年入部した1年生であるため、今回が初めての利用となりました。人生初の基板発注でしたが、製造から到着まで驚くほどスムーズに進み、非常に助かりました。

今回製作した基板

IMU&計測輪基板

この基板は、STM32G474を搭載した制御用基板をスタックして使用します。

近年のNHK学生ロボコンでは自動制御が重視されており、正確な制御には正確なセンサ情報が欠かせません。そこで、私にとって初めての基板設計となる今回は、徹底的なノイズ対策を行い、とにかく安定して動作させることを最優先の目標にしました。IMUや計測輪のコネクタ周りにノイズ低減回路を組み込み、トラブルの少ない堅実な設計を追求しました。

基板の中央部には、6軸センサ「LSM6DSV16XTR」を3個搭載しました。これらを基板の幾何学的中心に、三角形を描くような配置で実装しています。複数のセンサ値を比較・統合することで、単体のセンサでは避けられないノイズの影響を減らし、より安定したデータを取得します。

また、各センサは互いに向きを変えて配置されているため、プログラム実装時のミスを防ぐために各センサの軸方向(X,Y)を示す矢印をシルクスクリーンで入れました。 JLCPCBの製造サービスは、こうした細かいシルク文字も潰れずにくっきりと印刷されており、非常に見やすいです。部品の実装も綺麗で、手作業では難しい高密度な実装を完璧に仕上げていただきました。ありがとうございます!

電源系の基板たち

PD/LiPoバッテリーホットスワップ基板(右側の小さい基板)

以前JLCPCB様で製造していただいた基板のDC電源入力を多機能にするためのアダプタ基板です。USB Type-C PD3.0に対応した充電器やモバイルバッテリーから20V、最大5Aをシンクすることが可能です。LM5050-1を用いた理想ダイオードORing回路によって、LiPoバッテリーとType-Cのホットスワップが可能になり頻繁なシャットダウンの悪夢から開放されます。

LiDAR用電源保護基板(左側の黒い基板)

数百円のセンサや数千円のマイコン基板ならいざしらず、数十万円のLiDARともなると供給する電源も「礼儀正しく」ある必要があります。他のDCDCコンバータが発したノイズを通さず、間違って電圧が規定値を逸脱しても常に安全側に倒れるような保護回路が必要になります。

この基板はe-fuse(TPS26600)とノイズフィルタ(BNX016)を搭載し、過電流保護と過電圧/低電圧保護を行います。さらに、TVSと物理ヒューズを組み合わせて万が一e-fuseが短絡モードで故障した際も過電圧保護と過電流保護を保証できる構成となっています。

PCBAで使う部品を指定する方法

T-semiでは主にKiCadを使用しています。KiCadには発注のためのデータを一括で生成してくれる便利なプラグインがあるのですが、現状なぜか部品番号が反映されないようですので手動で生成する方法を紹介します。

“LCSC” のフィールドで部品番号を指定した

このように、部品ごとにLCSCの部品番号(Cxxxx)を指定することで実装サービスでどの部品を使ってもらうか指定する、というのが普通の手順です。

BOMを見てみます。現時点では”LCSC”の列を表示させるようにはなっていません。
「表示」にチェックを入れてFablication Toolkitでファイルを生成すると、BOMにLCSC部品番号が反映されるようになります。

この方法で、部品を間違えることがなくなります!ぜひ利用してみてください。

https://jlcpcb.com

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